店舗運営の原則④
お客様に提供するサービスマナーと商売の考え方
以前、旧友からの依頼で個別に無料コンサルを行ったときのことでした。
(無料コンサルは、このときが特別で基本的にすることはありません。)
私の旧友の友人が経営するお店で最近売上の落ち込みが続き困っているとのことで、私はその店の状況を確認しにいきました。
開店時から閉店時まで、とりあえずざっくりと地理的条件も含めてその店の概要をおさえるために、その店に足を運んだ初日のことでした。
閉店時に私を驚かせる行動を、店主が行っていたのです。
正確には、店主の指示でアルバイトの店員が、ある事を行っていたのです。
そのお店は一般的なカフェでした。
食事も豊富で、コーヒーも美味しい。ドリンク類も工夫されていて良い。
地理的な条件もそんなに悪いわけではない。そういった類のお店でした。
そのお店では閉店時間15分前、アルバイトの女性が、なんと椅子を机の上に上げ始めていたのです。
閉店後の掃除に備えてのことです。
椅子を上げる対象は、お客様が座っていない席全てでした。
これは何事かと、私の旧友の友人であり、その店の店主に話しかけたのですが、閉店後、すぐにアルバイトの女の子には帰ってもらっているため、今のうちに椅子をあげてもらうようにしているとのことでした。
このような事は絶対にいけません。
お客様へのサービスは無視し、自分自身の仕事を軽くするためだけにお客様に不愉快な思いをさせてしまっていたのです。
椅子が上がった状態では開店時間内とも言うことが出来ません。
ラストオーダー時間、閉店時間もしっかりとしていないお店でした。
椅子が上がった状態で新たにお客様が入ってきたら、それに対応して椅子をさげていたのです。
驚くべき行為です。
開店時間内であれば、均質なサービスをお客様に提供する必要があります。
それが出来ないお店は、今紹介したようにサービスのベクトルが定まっていない。
つまり、お客様への対応方法も分かっていないお店なのです。
そして何よりも、自分のしていることを「商売」だと勘違いしているのです。このお店は商売をしていません。
商売についての根本的な理解が不足しているのです。
楽して儲けたい、なにか魔法のような方法があって、それでお客さんがいっぺんに来店し、儲かるといったことをイメージしているわけです。
残念ながら、コンサルタントは魔法使いではありません。
商売としてやるべきことや、おさえておくべきことを明確にして細かく整理し、それらを実現させるお手伝いをするのがコンサルタントです。
自分にだけ都合の良く振る舞う魔法使いを求めているような精神を変えられないのであれば、お店は潰れてしまいます。このようなお店は、値段を書かなかったり、値札をつけなかったりするケースもあります。
この場合、人を見てから値段を付けるという貧しい精神がそのまま外に表れていることが多いです。こんなものは論外です。絶対に商売が繁盛することはありません。
商売に関する考え方、基本姿勢をしっかりと当サイトで身に付けて、一刻も早く一人前の商売人として活動を開始してください。
因みに魔法使いのようなことを考えているような人は当サイトの全記事を7回は反復学習するようにしてください。
すべての接客サービスは、あなたの手、あなたの足、あなたの全てを使って行うことです。在りもしない他の何かにすがって始めから自分が受け取ろうとする精神が貧しさを引き寄せます。
具体的に何を考えて何をするのか、そこにどういった心意気を込めるのか。
お客様に最大限に奉仕するための考えや行動、心の持ち方を日々研ぎ澄ましていくことが大事です。
日によって大きく違う接客態度
接客態度や接客サービスの程度を日によって大きく変えてはいけません。
特に個人の気分でサービス提供の度合いを変えてしまうことは接客になっていません。
そのこと自体がお客様を見下していることになり得るのです。
自分のその日の気分で接客態度を変える人ほど、お客様と不自然に仲良くなろうと不必要なことをお客様に聞いたり、過剰なサービスをします。
そうかと思えばそれまで行っていた自己都合のサービスを気分で無くしたりします。
こういった接客はプラスとマイナスで相殺されているから問題ないと思ってしまいがちですが、店舗運営においてはマイナスしかありません。
お客様の立場に立ったらよく分かると思います。
時間感覚もお客様によって大きく違うものです。
店舗スタッフが業務上、不必要なことをお客様にしていれば即改善指導です。お客様対応上も、業務対応上もお客様に聞く必要が全くないことを個人的都合でお客様に聞いている場合があります。
特にお客様に余計な時間を撮らせてしまっていることは、目の前のお客様に不快感が見られなかったとしても即指導すべきです。
また、平素からこのような点は店舗方針として示しておくべきです。
お客様が先か、社長が先か
社長さんが店舗に現れたことで、店舗スタッフが驚いて社長さんがお店を去るまで付きっきり。
そういう状況があるかもしれません。
最後は、走り去る社長さんの車に深々とお辞儀をしたまま車が見えなくなるまで社長さんのお見送りをすることもあるでしょうね。
で、その時にお客様がお店から出てきて歩いているのにお客様には全く挨拶をしないで通り過ぎる店舗スタッフさんは普通にいます。
若い人だけではないです。
もう50代のスタッフさんでも、こういう接客対応を平然としてしまいます。
そもそも接客にもなっていませんが、はじめからお客様を下に見ているからこういうことになります。
こういう店舗はお客様が来ません。
接客対応を改善できないなら店舗スタッフを入れ替えていくしかないです。
もし、両方とも出来ないならお店が衰退していくだけです。
だからマネージャーさんは、どこかで厳しい対応を取らざるを得なくなることが多いです。
そうならないように平素から接客教育と経営がとても大事です。
みんなにとって大事だということです。
儲かっているとき、儲かっていないとき、どちらも冷静な思考を維持する能力。
これが経営力の基礎です。
【関連記事】
・店舗運営の原則①
・店舗運営の原則②
・店舗運営の原則③
・店舗運営の原則④
・接客と経営1
・接客と経営2
・接客と経営3
関連接客動画
●オススメ接客マナー動画●
平林都 動画まとめ1
飲食店マナー動画まとめ1
売れる接客動画まとめ1
売れる接客動画まとめ2
●教材DB●
接客・集客・会話術教材のデーターベース