接客の原則ーGIVEの範囲
商売とGiveの範囲を理解していないために発生する閉店
ある飲食店での出来事。
その店は、関西地方にある小さな洋食店。
開店から数年が経過し、地元の人にも認知され始めていました。
お昼時などは、その店に近い会社の人たちも利用することもあって、常に混雑するお店となっていました。
売上も予想よりも良好な状態を維持していることもあって、店主は自分の料理の味、それから商才について、ある程度自信が付いてきた時期でした。
そんなある日のこと、ラストオーダーの15分前に、お客様が来店されました。
30代半ばのご夫婦のようでした。
最初に奥様が扉を開けてお店に入り、それから続いて旦那様が入ってこられました。
旦那様の身体は非常に大きく、奥様の続きで扉を少し押しただけで扉は開きっぱなしの状態となってしまいました。
旦那様はそれに気が付かないまま、店内に歩を進めましたが、それを厨房から店主がたまたま見ており、その事に気が付きました。
その店主は、お客様に声をかけました。
「すみません。扉を閉めてもらえますか?」
旦那様は、すぐに「ごめん、ごめん」と言って、扉を閉めに戻りました。
その時、フロアーには、店員の女の子が立ったままの状態で、その光景を見つめていました。
私が、この光景を目撃してから、1年後。
この店は閉店しました。
閉店を知ったのは、約1年半ぶりに関西に行ったときのことでした。
私は、このままを続けていたら、必ずうまくいかないと思っていたのですが、この思いの通りになったのです。
この店について、その他にも怠慢な点を散見しました。
お客様へのGIVEの範囲は全方位です。
洋食屋であるからと言って、当然、洋食だけGIVEすればよいという考えのお店が流行り続けることはありません。
「すみません。扉を閉めてもらえますか?」
いったい、どういう精神を元に、このような言葉をお客様に発するのでしょうか。
お客様に声をかける始めの第一声から、商売になっていないのです。
商売、お客様に感動を与えることというのは、範囲を決めるものではありません。
お客様との接点、全てにおいて商売です。
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